マルティン・ガルシア・ガルシアさんが
練習しにきてくれました。

24.11.06INFORMATION

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マルティン・ガルシア・ガルシアさんのご紹介

1996 年ヒホン生まれ。27歳にして、国際的に最も活躍するピアニストの一人とされている。レイナ・ソフィア音楽学校を卒業、同校ではガリーナ・エギザロヴァ教授に10年間師事、ソフィア王妃から「最優秀学生賞」を受ける。また、ニューヨークのマネス音楽院にて著名なピアニスト、ジェローム・ローズに3年間師事し、修士号を取得している。

世界各国にて素晴らしいリサイタルを開催し、NHK 交響楽団、ソウル・フィル、ハンブルク響、ワルシャワ・フィル等の名だたるオーケストラと共演している。2021 年8月にクリーブランド国際コンクール優勝、同年10月にはショパン国際コンクール第3位など、世界的に高い評価を得ている。2022 年にはカーネギーホールでデビューリサイタルを果たし、来日ツアーでは計14 公演で観客25,000人を動員する大成功を収めた。2023 年は世界各地 ( 米国、アジア、欧州 ) で約 80 回のコンサートを行い、韓国、メキシコ、ブラジルでもデビューを果たす。2024年の来日公演でもリサイタル1ヶ月半前からサントリーホール大ホールを満員にしている。2022 年にはデビューアルバム「CHOPIN AND HIS MASTER」をリリースし話題を呼んでいる。

若き巨匠マルティン、27歳の哲学的ピアニズム

11/2~11/11にかけて北海道から福岡まで縦断するジャパンツアーで多忙な中、貴重なオフ日に来てくれました。ファツィオリジャパンでマルティンが練習をしているところに合流。満面の笑みで出迎えてくれます。まず対面して感じたのが“大きい”でした。身長はそれほどでもないのに、体の厚みを感じます。そして何より巨大な手。画像の通り、12度が難なく届きます。加えて各指の柔軟性も抜群です。ただ本人曰く、指が太くて黒鍵と黒鍵の間に指が入らないとの。周りからしたら嬉しい悲鳴でしかありません。

スタジオ来館前に、セルリアンの料亭にて能楽堂を望みながら舌鼓。マルティンは生粋の和食通です。能をBGMに一皿一皿楽しんでもらえました。食事を終えてスタジオに入ったのは21時過ぎ。主にショパンの2番コンチェルトを練習していました。先ほどファツィオリジャパンで聴いたリストとはまるでタッチが異なり、繊細さの中にも彼らしい芯の揺るがない音色で絶妙なルバートを奏でていました。マルティンの演奏はテノール(ときどきバリトン)との二重奏のようだと表現されるほど、歌いながら演奏します。“声を出して”弾くピアニストは少なくありませんが、大概うめき声のような人が多い中、彼ほどに上手く歌うピアニストを聴いたことがありません。表情も非常に豊かで聴衆の没入感が半端ではないです。このようにマルティンは歌声や表情が話題にされがちですが、目をつむって視覚的な情報を遮断すると、より彼の音楽的な魅力に触れることができます。普段大きな声で無邪気に笑う姿とは対照的に、その演奏はとても崇高で、哲学的な奥深さを感じました。すでに巨匠の貫禄はありますが、まだ27歳。これからどのように“進化”していくのか、楽しみでなりません。FCGSの空間やピアノもとても気に入っていただきました。下記リンク“VIRTUOSO VOICES”にてマルティンからのコメントを公開していますので、是非ご覧ください。 担当/加藤

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